バスを取り巻く環境
少子高齢化社会の進展と地球温暖化問題等環境重視の時代を迎え、地域における生活交通の確保をはじめ、交通バリアフリー対策の推進、環境負荷の低減等、バス事業に対する社会的要請とともに安心安全な交通機関、国民生活に不可欠な公共交通機関としての期待のもとに、バスはますます重要な役割を担うこととなっています。
しかし一方で、乗合バスの輸送需要は、一時、大都市部では持ち直し傾向が見られたものの、近年は減少傾向に転じており、全国的に輸送需要の減少が続くなど厳しさを増す状況にあります。また、貸切バスも新規参入事業者の増加と旅行業界の激しい競争の影響等により厳しい経営が続いています。
こうした厳しい経営状況の中にあっても、バス業界は、バスを取り巻く環境の変化に適切に対応し、将来のバス産業のあり方を見据えて、地方バス路線維持対策、安全輸送対策、環境対策、交通バリアフリー対策、情報提供の充実、輸送環境の改善など多くの課題に取り組まなければなりません。特に近年は、乗務員不足により、路線バスのダイヤ維持や高速路線バスの多客期での続行便への対応、貸切バス需要増への対応に苦心している状況となっています。
また、公的機関と「大規模広域災害時におけるバスによる緊急輸送に関する協定」や「災害等緊急時におけるバス輸送の協力に関する協定」を締結し、近年多発している自然災害等による広域避難や鉄道被災時の代行輸送にも携わり、社会インフラとしての役割も担っています。
京都府バス協会の役割
京都府バス協会は、このようなバスの公益性について広く一般に啓発し、地域交通や地域間交通でのバス輸送サービスの改善と充実を図ることで地域社会の健全な発展に貢献するほか、バス事業者の適正な運営と業界全体の健全な発展の促進に努め、公共の福祉の増進を図ることを目的に設立されました。
バス事業の現状維持はもとより、更なる発展を図るため、関係機関と協調を図り、理事会、委員会を通じて会員とともにさまざまな事業に積極的に取り組んでいます。